3Dプリンター [プロダクトデザイン]
何かと話題になっている3次元プリンターですが、当社でも5年ほど前から試作品を作るため使用しています。
当時はまだそれほど認知はされていなかったですが、試作品を作る上では大きなメリットあります。
一番のメリットは試作製作費用が大幅に抑えられること。(ケース・バイ・ケースです(^^ゞ)
その昔は機能確認やデザイン確認のために、モデル製作業者に試作品を作ってもらっていたのですが、かなりの部分が手作業であるためどうしてもコストアップになっていまいます。
さらに複数個の試作品が必要な場合は、かなりの費用と日数を要するためクライアントとは費用面の交渉が大変でした。そのため、残念ですが納期やコストで見送るケースも多々ありましたね。
それでは当社の参考事例をご紹介したいと思います。
商品はこちらです。
これは(株)アイセン様から発売されている「ランドリーマルチフック」です。その名の通りランドリー用グッズですが、こんな感じに使います。
室内干しの際に角ハンガーの掛ける場所って中々ないですよね。そんな時にタンスや、浴室のタオル掛けなどに本商品を使って角ハンガー吊るせばハンガー本体も斜めにならず洗濯物も乾きやすいっといった便利グッズです。
まず、3Dプリンターで作るにはやはり3次元データが必要になってきます。
私どもの3dCAD「think3 design」というイタリア発祥の3次元ソフトを使っています。
このソフト特徴はデザインを作る上で自由度が高いといわれていて、イタリアではお洒落な日用品で有名なアレッシー社が使っているのですけど。
でも導入当初はあまり稼働率としては低かったですね。
とにかくやたら作成コマンドが多くて、それぞれの意味が分からないと中々イメージしたものにはならなかったです。
まぁ元々図面の世界は2次元だけでしたので、そこからバーチャルな3次元空間でものを作り上げる発想を脳みそに加えるのに時間がかかりました。
それで何とか作り上げた3Dデータが、この「マルチフック」です。
制作途中で何度も頭が爆発しそうになりましたが・・・
個々のパーツが12点ほどですが、それでも結構時間がかかりましたよ。
ソリッドだぁ??、 サーフェイスだぁ??と 思わず作りながら叫んでしまいます。
そして、このデータを業者さんに渡してできたのが、
こちら。
プリンターの仕組みはパウダー状の樹脂表面にレーザー照射して0.15ミリづつ積層してタイプのものです。
これが業者さんの3Dプリンター。 プリンターといったレベルではないですけどね。
ほんとでかくて、業者さんによると数千万するそうですよ。
これは初期の試作品ですが、これで実際に使うことができるので、タンスに掛けてみたりして使い勝手や問題点など検証することが可能です。
そして、本物とならべると
ディテールではかなり修正しています。
3Dプリンターの仕上がり自体はザラッとした表面ですが塗装もできますので、若干コストはかかりますが艶ピカの表面仕上げもできますよ。
3Dプリンターも卓上タイプも出てきましたので、かなり入手しやすくなってきました。(機能、精度では問題あるようですが)近い将来には紙にプリントアウトする感覚で立体が作れる日がくるかもしれませんね。
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